ホームページには、自分では決められない期限があります。

使っているプログラムの公式サポート期間。借りているサービスの仕様の変更や終了。どちらもホームページの持ち主ではなく、プログラムの開発元やサービスの提供元が決めます。もう1つ、サーバーの障害のように、前触れなく起きる止まり方もあります。

以前の記事「『公開して終わり』にしないために。ホームページを公開したあと、毎月確認すること」と「ホームページの保守、毎月なにを見ればいい? 19項目のチェックリスト」では、毎月の点検の中身を紹介しました。毎月の点検は、いまの状態と届いたお知らせを確かめるものです。この記事で扱うのは、その先の「この先、いつまで今のままで使えるか」です。

期限は、たいてい前もって知らされます。知っていれば、慌てずに決められます。

この記事では、2つの期限と障害の確かめ方を順に書きます。WordPress を使っている方は次の節から、月額のホームページ作成サービスを使っている方は「借りているサービスの仕様変更と終了」から読んでも構いません。自分で作った方や、ほかの仕組みで作った方は、2つの期限のどちらも当てはまることがあるので、順に読んでみてください。

プログラムの「公式サポート期間」

「『公開して終わり』にしないために」の記事では、ホームページを触っていなくても、プログラムのセキュリティ更新のお知らせが届くことを書きました。ただ、更新で直せるのは、使っているバージョンに公式のサポートがあるあいだだけです。

プログラムにはバージョンごとに、公式のサポートが受けられる期間が決まっています。サポートが終わったバージョンは、安全上の弱点が見つかっても、もう対応してもらえません。 終了日は、前もって公表されています。

WordPress で作ったホームページの場合

ホームページを更新する仕組みとして広く使われている WordPress(ワードプレス)は、サーバーの上で、PHP(ピーエイチピー)というプログラミング言語を使って動いています。この PHP にも、バージョンごとに公式サポート期間が決まっています。

PHP の公式サイト(英語)によると、それぞれのバージョンは、公開から2年は通常の修正が出て、その後の2年は安全のための修正だけが出ます。合わせて4年で、公式のサポートは終わります。2026年9月の時点では、次のとおりです。

  • 通常の修正が出ているバージョン:8.4・8.5
  • 安全のための修正だけが出ているバージョン:8.2・8.3
  • 公式サポートが終わったバージョン:8.1 と、それより前のバージョン

このうち 8.2 は、2026年12月31日で公式サポートが終わり、安全のための修正も出なくなります。

WordPress の公式サイト(英語)は、PHP 8.3 以上を推奨しています。7.4 のような古いバージョンでも動きますが、そうしたバージョンは公式のサポートが終わっていて、安全上の弱点にさらされるおそれがある、とも書いています。

バージョンと期限の確かめ方

確かめ方は、自分で見るか、担当に聞くかの2通りです。

  • 自分で
    契約しているレンタルサーバーの管理画面で、PHP のバージョンを確かめられます。メニューの名前は、サーバー会社によって違います。8.2 なら年内に、8.1 以前ならできるだけ早く、担当と相談する合図です
  • 担当に聞く
    制作会社に作ってもらった場合は、「使っているプログラムのバージョンと、そのバージョンの公式サポートの終了日を教えてください」と聞きます。WordPress 以外の仕組みで作ったホームページでも、土台のプログラムに期限があるのは同じです

バージョンを上げると、古いプラグイン(WordPress に機能を足す部品)やテーマ(見た目のひな形)が動かなくなり、表示が崩れることがあります。上げる前にバックアップを取り、担当がいれば任せるのが安全です。

バージョンを上げると多くの部品が動かなくなる場合は、上げる手間と、作り直す手間を比べることになります。期限を知っていれば、その判断を期限の前に、落ち着いてできます。

なお、ブラウザで作って月額で使うホームページ作成サービスの場合は、こうしたプログラムの更新はサービスの側が行います。その代わり、次に書く「借りているサービスの仕様変更と終了」が当てはまります。

借りているサービスの仕様変更と終了

ホームページは、サーバーのほかにも、いくつものサービスを借りて動いています。フォームの送信、地図の埋め込み、更新した内容を自動で公開する仕組み、などです。借りているものには、貸す側の都合で仕様が変わったり、終わったりする期限があります。

たとえば2026年9月23日には、ホームページを自動で公開する仕組みとしてよく使われているサービス(GitHub Actions)で、中で使われていた古いプログラム(Node.js の、20 というバージョン)が使えなくなりました。この変更は、1年前の2025年9月から告知されていました。制作会社に作ってもらったホームページでは、こうした仕組みが使われていることがあります。

自動で公開する仕組みを使っている場合、こうした変更に対応していないと、公開の作業が止まることがあります。止まっても、公開中のページは前の内容のまま表示されるので、見た目では気づきにくいところです。毎月の点検の「更新した内容が、公開中のページに出ているか」は、この止まり方に気づくための項目でもあります。

サービスの期限の確かめ方

期限の多くは、前もってメールで知らされます。お知らせが今も読んでいるアドレスに届いているかは、19項目のチェックリストの「使っているサービスからのお知らせ」で確かめられます。そのうえで、確かめることは2つです。

  • カレンダー
    「◯月◯日で終了」「◯月◯日から変更」と書かれたお知らせは、読んだ日にカレンダーへ入れます。前の記事で SSL証明書とドメインの期限を入れたのと、同じカレンダーで構いません
  • 借りているものの一覧
    このホームページが、どのサービスを借りて動いているかをまとめておきます。担当がいる場合は、「このホームページが使っている外部のサービスを、一覧で教えてください」と聞きます

一覧があれば、お知らせのメールが届いたときに「これはうちに関係あるか」をすぐに判断できます。

月額のサービスなら、引っ越せるかを確かめておく

月額のホームページ作成サービスの期限は、サービスの内容や料金が変わる日と、サービスそのものが終了する日です。こうしたお知らせも、上の確かめ方と同じように、カレンダーに入れておけます。

お知らせが届いてから、ほかへ移るかどうかを考え始めると、準備の時間が足りなくなることがあります。その日に慌てないよう、引っ越せるかどうかを、ふだんのうちに確かめておきます。 見ておきたいのは、次の2つです。

  • 文章や画像を持ち出せるか
    書いた文章や載せた写真を、ファイルとして取り出せるかどうかは、サービスによって違います。サービスのヘルプページで「書き出し」や「エクスポート」といった項目を探すか、窓口に問い合わせて確かめます
  • 独自ドメインを自分名義で持っているか
    独自ドメインは、「◯◯.jp」「◯◯.com」のような、ホームページの住所にあたる部分です。自分名義で持っていれば、ほかへ移っても同じ住所を使い続けやすくなります。サービスや制作会社の名義になっている場合は、住所ごと移れるかどうかが、その相手との手続きしだいになります

ドメインの名義は、制作会社に作ってもらった場合にも、同じことが言えます。担当がいる場合は、「このホームページのドメインは、誰の名義で登録されていますか」と聞いてみてください。

もう1つ:サーバーの障害は、サーバー会社の情報で確かめられる

最後は期限ではなく、前触れなく起きる止まり方です。

2026年9月中旬から下旬にかけて、国内の大手レンタルサーバーで、大量のアクセスを送りつけてサーバーを止めようとする攻撃(DDoS 攻撃)による障害が何度か出ていました。多くは、その日のうちに復旧しています。

こういうとき、ホームページの側では何もしていないのに、「さっき開かなかった」と言われます。原因がサーバー側なら、ホームページを直す必要はありません。慌てて設定を触ると、かえって別の不具合を生むことがあります。

「開かない」と言われたら、ホームページを触る前に、サーバー会社の障害情報を見る。原因がサーバー側なら、直す必要はありません。

障害の確かめ方

確かめる順番は、次のとおりです。

  1. 契約しているサーバー会社のサイトで、障害やメンテナンスのお知らせをまとめたページを開きます。呼び名は、会社によって違います
  2. 自分のサーバーの番号が、障害の範囲に入っているか、日時が合うかを見ます。サーバーの番号は、サーバーの管理画面や契約の情報で確かめられます
  3. 範囲に入っていれば、復旧を待ちます。問い合わせてくれた人には、サーバー会社の障害で一時的に開きにくかったことを伝えます

月に1回の点検では、数分の停止は拾えない

毎月の点検で「主なページがすべて開くか」を見ても、数分で直る停止は、その時に当たらなければ記録に残りません。月に1回の点検で分かるのは、点検したその時に開くかどうかです。

数分の停止にも気づきたい場合は、別の場所から数分おきにホームページを開き、開かなければ知らせてくれる仕組みがあります。外形監視や死活監視と呼ばれ、無料で使えるサービスもあります。担当がいる場合は、「止まったときに、気づける仕組みはありますか」と聞いてみてください。

期限を、誰が見るかを決めておく

期限について言えば、毎月の点検で気づけるのは、届いたお知らせまでです。期限の日付そのものは、調べて書き留めておかないと、点検の一覧には並びません。

だからこそ、期限を誰が見るのかを、先に決めておきます。 書き留める場所と、見る人が決まっていれば、その日が近づいたときに迷わずに動けます。

カレンダーの予定に、3つを書いておく

書き留める場所は、カレンダーの予定1つで十分です。SSL証明書やドメインの期限と同じカレンダーに書いておけば、期限が1か所にまとまります。予定には、次の3つを書きます。

  • 日付:期限の日。お知らせや公式サイトに書かれた終了日をそのまま入れます
  • 何の期限か:どのプログラムやサービスの、何が終わるのか、変わるのか
  • 誰が見るか:自分か、担当か。担当なら、会社名や名前まで書きます

たとえば、PHP 8.2 で動いている WordPress のホームページなら、次のような予定になります。

  • 日付:2026年12月31日(通知は2か月前)
  • 何の期限か:PHP 8.2 の公式サポートが終わる
  • 誰が見るか:制作会社の担当者。通知が鳴ったら、自分から連絡する

予定は期限の日に入れ、通知は前もって鳴るようにしておきます。当日に通知が鳴っても、担当と相談してバージョンを上げるには、間に合わないことがあるからです。

自分で見る場合、任せたい場合

自分で見るなら、この記事の確かめ方を、毎月の点検の日に1つずつ足してください。今月は PHP のバージョン、来月は借りているサービスの一覧、というように分ければ、1回の点検の手間は大きく増えません。

Riple with では、自社のホームページで、プログラムのセキュリティ更新と、使っているサービスからのお知らせを、毎月の点検で確かめる決まりにしています。任せたい場合は、この点検をまとめてお引き受けする形があります。

保守標準パッケージ(月額10,000円・税込11,000円)に含まれるのは、次のとおりです。

  • サーバーとドメインの管理
  • SSL証明書とプログラムのセキュリティ更新
  • 月1回のバックアップ
  • ページが開くか・フォームが届くか・リンク切れがないかの確認
  • 軽微な更新(月2件まで)
  • 表示の速さ(Core Web Vitals)の月1回の計測と報告

アクセス解析のレポートと改善の提案は、月額オプション(月次戦略ミーティング+改善レポート)で用意しています。

「うちのホームページは、何のプログラムの、どのバージョンで動いているのか分からない」という段階からでも、初回相談で一緒に確かめられます。初回相談(60分)は無料です。

無料相談を申し込む

おわりに:期限を1つ、カレンダーに入れる

ホームページには、自分では決められない期限があります。プログラムの公式サポート期間と、借りているサービスの仕様変更や終了です。どちらも前もって知らされることが多く、確かめ方があります。サーバーの障害のように前触れなく起きるものも、サーバー会社の情報で確かめられます。

全部を今日確かめる必要はありません。WordPress を使っているなら、サーバーの管理画面で PHP のバージョンを1回見てみてください。そうでなければ、届いているお知らせの中から、日付の入ったものを1つ探すところからで大丈夫です。

分かった期限を1つ、カレンダーに入れておく。 それだけで、その日を慌てずに迎えられます。