「補助金を使えば、ホームページを安く作れる」。そう聞いたことがある方は多いと思います。

答えは、制度によって違います。使えない制度もあれば、条件つきで使える制度もあります。そして、使える制度でも、ホームページを作り始められる時期には決まりがあります。

この記事は、熊本で地域のお店や事業所を営んでいて、補助金を当てにしてホームページを新しく作るか、作り直すかを考えている方に向けて書いています。よく名前が挙がる2つの補助金について、2026年9月末の時点で公開されている公式の情報から、使えるかどうかと締切をまとめました。

補助金の決まりは、公募の回ごとに変わります。申請を考えるときは、その時点の公募要領(募集の決まりをまとめた書類)で確かめておくと安心です。

先に結論:2つの補助金の早見表

まず、2つの補助金がホームページに使えるかどうかを表にまとめます。IT導入補助金は、2026年の制度では「デジタル化・AI導入補助金」という名前になっています。

項目

持続化補助金(第20回・通常枠)

デジタル化・AI導入補助金(IT導入補助金)

ホームページの制作費

ほかの取り組みと一緒なら対象

制作会社に作ってもらう費用は対象外

ホームページ分の補助

30万円まで(補助率3分の2)

——

申請の締切

2026年12月15日(火)17:00

——

発注できる時期

交付決定のあと(2027年春以降の見込み)

——

ホームページの費用に使えるのは、持続化補助金のほうです。ただし、使うには次の3つの決まりがあります。

  • 決まり1:ホームページだけでは申請できない
  • 決まり2:ホームページ分の補助は30万円まで
  • 決まり3:発注・契約・支払いは、交付決定のあと

ここからは、デジタル化・AI導入補助金が当てはまらない理由を確かめたうえで、持続化補助金の3つの決まりを順に見ていきます。

デジタル化・AI導入補助金(IT導入補助金)では、ホームページ制作費は賄えない

デジタル化・AI導入補助金は、事務局に登録されたITツールを、登録された支援事業者を通じて導入するときの費用を補助する制度です。どんなツールでも対象になるわけではなく、ツールの登録には決まりがあります。

その登録の決まりでは、登録の対象にならないものとして、ホームページ制作などの制作ツールに「追加開発に掛かる費用が含まれているもの」や、「ホームページと同様の仕組みのもの」が挙げられています。

つまり、制作会社にホームページを作ってもらう(追加で開発する)費用は、この補助金では賄えません。「IT導入補助金でホームページを作れます」という案内を見かけたら、どのツールの、どの費用が対象なのかを確かめてみてください。

一方で、会計ソフトや受発注ソフトなど、登録されたITツールを入れたい場合には使える制度です。ホームページ以外のツールを入れる場合の締切として、デジタル化・AI導入補助金の公式サイトでは、9月末の時点で次の2つが公表されています。

  • 6次締切:2026年10月30日(金)17:00
  • 7次締切:2026年12月1日(火)17:00

持続化補助金は、ほかの取り組みと一緒なら使える

ホームページの費用に使える補助金としてよく名前が挙がるのが、小規模事業者持続化補助金です。小規模な事業者が、販路を広げる(新しいお客様を増やす)ために取り組む費用を補助する制度です。

通常の枠の補助率は3分の2、補助の上限は50万円です。一定の条件を満たすと、上限が上乗せされる特例もあります。

この補助金では、ホームページの費用は「ウェブサイト関連費」として扱われます。ここに、大事な決まりが2つあります。

決まり1:ホームページだけでは申請できない

公募要領には、「ウェブサイト関連費のみによる申請はできません。必ず、ほかの経費と一緒に申請してください」と書かれています。ホームページの費用だけで申請することは、できない決まりです。

チラシや看板、新しい商品の開発、展示会への出展など、販路を広げるためのほかの取り組みと組み合わせて計画を立てます。その計画の一部として、ホームページを位置づける形です。

考える順番も、少し変わります。「ホームページを作りたいから補助金を探す」ではなく、「この取り組みでお客様を増やしたい。そのためにホームページも要る」という順番で考えると、計画が組み立てやすくなります。

決まり2:ホームページ分の補助は30万円まで

同じく公募要領に、「当経費の補助金交付申請額の上限は30万円(税込)です」とあります。上限が決まっているのは、ホームページにかける費用ではなく、補助される金額のほうです。

補助率が3分の2の場合、ホームページ分の費用と補助される額は、次のようになります。

補助の対象になるホームページの費用

3分の2で計算した額

補助される額

30万円

20万円

20万円

45万円

30万円

30万円

60万円

40万円

30万円(上限)

費用が45万円のところで、ちょうど上限の30万円に届きます。それより高くなっても、ホームページ分の補助は30万円のままです。なお、消費税の課税事業者は、消費税の分を除いた金額が補助の対象になります。

以前は、ホームページ分の補助は補助金全体の4分の1まで、という決まりでした。その頃の決まりのまま書かれた解説も残っているので、記事の日付と、公募要領の版に気をつけて読むことをおすすめします。

第20回の日程と、「いつ作れるか」

次の受付は、第20回です。窓口は、事業所のある地区によって「商工会議所の地区」と「商工会の地区」に分かれていて、公式サイトも別です(商工会議所地区の公式サイト/商工会地区の公式サイト)。

第20回の日程(12月15日締切)

公募要領(2026年7月21日の版)では、日程は次のとおりです。

項目

日付

申請の受付開始

2026年11月5日(木)

事業支援計画書の発行の受付締切

2026年12月4日(金)

申請の受付締切

2026年12月15日(火)17:00

採択の発表

2027年3月頃の予定

採択が発表されたあと、交付が決まる(交付決定)までに、おおむね1〜2ヶ月かかる場合がある、とも書かれています。採択は審査で選ばれたという知らせで、交付決定は、補助金を出すことが正式に決まる手続きです。

決まり3:発注・契約・支払いは、交付決定のあと

ここで大事なのが、交付決定の前に発注・契約・支払いをした費用は、補助の対象にならないという決まりです。

補助金を使うなら、ホームページの発注は交付決定のあとです。第20回で申請する場合、制作を始められるのは、早くても2027年の春になります。第20回(通常枠)では、先に作ってから補助金を申請する、という順番はできません。

とはいえ、交付決定まで何もできないわけではありません。どんな取り組みと一緒に、どんなホームページを作るのかを考えておくことは、交付決定の前から始められます。

今年作るか、補助金を待つか

「今年のうちにホームページを作りたい」と「補助金を使いたい」は、両立しにくいことがあります。補助金を待てば、採択された場合に費用の一部が補助されますが、制作は2027年の春以降になります。

待たずに作れば、時期は自由に決められますが、費用はすべて自己負担です。どちらを優先するかを、先に決めておくと迷いません。

なお、令和8年熊本地震で被害を受けた熊本県内の小規模事業者には、持続化補助金の「災害支援枠」という別の枠があります。1次の受付締切は10月16日(金)で、商工会・商工会議所が発行する書類の締切は10月9日(金)です。被災した日以降の費用が条件つきで対象になるなど、決まりが通常の枠と違います。当てはまる方は、中小企業庁の案内ページから、地区ごとの公式サイトで確かめてみてください。

申請までに準備すること

申請の受付は11月5日からですが、準備は今から始められます。ここでは、申請に欠かせないものと、知っておきたい決まりをまとめます。

必要な3つ:GビズID・事業支援計画書・電子申請

  • GビズIDプライム
    申請に必要なアカウントです。公募要領では、取得に数週間程度かかるとされています。オンラインでの申請なら即日〜数日、書類を郵送する方法だと最大1ヶ月かかると、GビズIDの公式サイトに案内があります
  • 事業支援計画書(様式4)
    地域の商工会・商工会議所に発行を依頼する書類です。発行の受付締切は12月4日で、申請の締切より早いので注意が要ります。どちらの窓口になるかは、事業所の所在地で決まります
  • 電子申請
    申請は電子申請だけで受け付けられ、郵送では受け付けられません

なかでも時間がかかりやすいのが、GビズIDです。郵送の方法を選ぶ場合は、早めに手続きを始めてください。

手伝ってもらった場合は、その相手と金額を申請に書く

もう1つ、知っておいてほしい決まりがあります。申請書づくりを誰かに手伝ってもらった場合は、支援の料金を払ったかどうかに関わらず、その相手と金額を申請の中で書く決まりがあります。書かずに申請すると、不採択や交付決定の取り消しの対象になります。

手伝ってもらうこと自体が禁じられているわけではありません。誰に、どれだけ手伝ってもらったのかを、申請の中で明らかにする決まりです。

締切から逆算した準備カレンダー

第20回に申請する場合の流れを、締切から逆算して並べると、次のようになります。日付は、第20回の公募要領(2026年7月21日の版)に基づく目安です。

時期

やること

今〜10月

GビズIDプライムを申請する/地域の商工会・商工会議所に相談し、窓口を確かめる/一緒に取り組む内容を考える

11月5日(木)〜

申請の受付開始。申請書を仕上げる

12月4日(金)

事業支援計画書(様式4)の発行の受付締切。依頼はこの日までに済ませる

12月15日(火)17:00

申請の受付締切

2027年3月頃

採択の発表(予定)

採択から、おおむね1〜2ヶ月後

交付決定。ここから発注・契約ができる

事業支援計画書の依頼をいつから受け付けているかは、窓口によって案内が違うことがあります。相談のときに、あわせて聞いておくと段取りが立てやすくなります。

相談は公的な窓口へ。「事務局を名乗る連絡」には注意

補助金のことは、一人で調べ切るのが難しい分野です。頼れる相談先と、気をつけたい連絡の両方を知っておくと安心です。

熊本で相談できる公的な窓口

補助金について相談できる、公的な窓口があります。熊本で事業をされている方にとって身近なのは、次の2つです。

  • 地域の商工会・商工会議所
    事業支援計画書の発行と、持続化補助金の相談の窓口です
  • よろず支援拠点
    経済産業省・中小企業庁が全国に設けている、無料の経営相談所です。熊本県にも、熊本県よろず支援拠点があります

開業して間もない方は、この記事で扱った通常の枠の話に加えて、確かめることが増えます。記事では答えきれない部分もあるので、自分の場合はどうなるかを、窓口で確かめてください。

事務局を名乗る電話・メールに注意

持続化補助金(商工会議所地区)の事務局は、2026年8月28日に、事務局を名乗って補助金の案内や紹介をする事案が起きている、と注意を呼びかけています。

事務局が、個人に補助金を個別に紹介することはありません。事務局を名乗る電話やメールが来たら、その場で話を進めず、公式サイトや、地域の商工会・商工会議所に確かめてください。

ホームページを、どの取り組みと一緒に計画するか

持続化補助金でホームページを作るとき、いちばん手間がかかるのは書類よりも、「ほかのどの取り組みと一緒に、何のためにホームページを作るのか」を整理するところです。ここが整理できると、補助金を使うかどうかに関わらず、ホームページに載せる中身も決まってきます。

組み合わせの例

考え方をつかみやすいように、例え話を3つ挙げます。どれも説明のための例で、実際に対象になる経費は、公募要領と窓口で確かめる必要があります。

  • 新しいメニューを始める美容室
    メニューを知らせるチラシを配り、メニューの内容や料金、予約の方法を確かめられるホームページを用意する
  • 中学生向けの新しいコースを始める学習塾
    地域での説明会やチラシと組み合わせて、コースの内容や体験授業の申し込み方法を載せたホームページを作る
  • 住まいの小さな困りごとの相談会を始める工務店
    地域のイベントへの出展と、施工の考え方や相談会の日程を伝えるホームページを組み合わせる

どの例も、「誰に、何を知ってもらいたいか」が先にあって、ホームページはそのための道具の1つです。これがはっきりしていれば、申請書に書く計画にも、ホームページに載せる内容にも、そのまま生かせます。

Riple with の補助金活用サポート

Riple with では、使える補助金があるかどうかの確認から、申請に向けた計画の整理までを、補助金活用サポートとしてご一緒します。費用や、補助金を使った場合の自己負担の目安は、料金ページの「補助金を使うと、実質負担はいくら?」にまとめています。補助金を使わずに作る場合の費用も、料金ページで見比べられます。

採択は審査で決まるため、補助金を受け取れることをお約束するものではありません。お手伝いする場合も、先に書いた決まりのとおり、その旨を申請の中に書いていただきます。

「うちの取り組みで、使える補助金はあるのか」という段階からでも、初回相談で一緒に確かめられます。初回相談(60分)は無料です。

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おわりに:まず、自分の予定と締切を並べる

「補助金でホームページ」は、制度によって答えが違います。デジタル化・AI導入補助金(IT導入補助金)では、制作会社に作ってもらう費用は賄えません。持続化補助金は、ほかの取り組みと一緒なら使えますが、ホームページ分の補助は30万円までです。第20回(通常枠)では、発注は交付決定のあとになります。

補助金を使うかどうかを決める前に、「いつまでにホームページが必要か」と、第20回の締切を並べてみてください。補助金を待つか、先に作るかは、その並びを見て決められます。

待つと決めたら、最初の一歩はGビズIDの取得と、商工会・商工会議所への相談です。