「熊本市で開業したばかりで、ホームページをどうしようか考えている」。そんな方に、ホームページを頼む前に確かめておいてほしいことがあります。市の「特定創業支援」をすでに受けているか、受けていなければ締切までに受けられるかです。

この支援を受けて市の証明書をもらうと、小規模事業者持続化補助金の〈創業型〉という枠に申し込むための条件の一つを満たせます。開業して間もない事業者のための枠で、ホームページの費用も、ほかの取り組みと一緒なら補助の対象になります。

前の記事「持続化補助金でホームページを作る前に知りたい3つの決まり【熊本・2026年】」では、通常の枠を取り上げました。この記事はその続きで、2025年12月15日以降に熊本市で開業した方に向けて書いています。これから開業する方に向けた話も、途中で取り上げます。

内容は、2026年10月初めの時点で公開されている、熊本市と補助金の事務局の公式情報をもとにまとめました。補助金の決まりは公募の回ごとに変わることがあるため、申請を考えるときは、その時点の公募要領(募集の決まりをまとめた書類)で確かめてください。

先に結論:ホームページの前に確かめる3つのこと

この記事でお伝えしたいことは、次の3つです。

  • 熊本市の特定創業支援を受けて証明書をもらうと、持続化補助金〈創業型〉の申請の対象になる
  • 条件は、支援を受けた日と開業日が、どちらも申請の締切から数えて過去1年の間にあること
  • ホームページの費用の決まりは、通常の枠と同じ(ほかの取り組みと一緒に申請する・ホームページ分の補助は30万円まで・契約は交付決定のあと)

ここからは、特定創業支援の中身、創業型の条件、自分が対象かどうかの確かめ方、熊本市で受けられる講座、12月の締切から逆算した日程の順に見ていきます。最後に、ホームページをいつ作るかの考え方もまとめます。

特定創業支援とは

熊本市は、創業する人が経営・財務・人材育成・販路開拓などの知識を身につけるために続けて受ける支援を、「特定創業支援等事業」と位置づけています(この記事では、特定創業支援と呼びます)。

1回きりのセミナーとは違い、何回かに分けて学ぶのが特徴です。市が認めた講座や相談を修了すると、市が発行する証明書を受け取れます。

証明書を受け取れる人

市のページでは、証明書を受け取れる人を次のように定めています。

  • これから創業する人:いまは事業を営んでいない個人
  • 創業して5年以内の人:個人・法人のどちらも

2社目以降の創業は、原則として対象外です。法人の場合は代表者本人が受講する必要があり、役員や社員が受けても、証明書による優遇は受けられません。

熊本市以外の市町村で事業をする方は、その市町村の創業支援の窓口で確かめてください。特定創業支援の証明書は、国の認定を受けた市町村が発行するもので、受けられる講座も市町村ごとに違います。

証明書でできること

証明書があると、次の4つの優遇を受けられます。どれも、優遇ごとに別の審査や手続きがあります。

  • 株式会社・合同会社を設立するときの登録免許税が、半分に軽くなる
  • 創業前の融資の保証(創業関連保証)を、通常より早い時期(創業の6ヶ月前)から申し込める
  • 日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」で、貸付利率の引き下げの対象になる
  • 小規模事業者持続化補助金〈創業型〉の申請対象になる

すでに個人で開業している方は、市の表で、創業関連保証の特例が対象外とされています。開業済みの方に関わるのは残りの3つで、登録免許税は、のちに会社を設立するときに関わってきます。この記事では、4つ目の補助金に絞って見ていきます。

持続化補助金〈創業型〉の条件

持続化補助金〈創業型〉は、創業して間もない小規模事業者が、販路を広げる(新しいお客様を増やす)ための取り組みを支える補助金です。2026年秋に受け付けるのは、第4回です。

申請には、市が発行した特定創業支援の証明書の写しを添えます。そのうえで、次の日付の条件を満たしているかが問われます。

「支援を受けた日」と「開業日」が、どちらも締切から1年以内

公募要領では、申請の条件として「「特定創業支援等事業」による支援を受けた日および開業日(設立年月日)が公募締切時から起算して過去1か年の間であること」と定めています。第4回にあてはめると、次のようになります。

項目

第4回

申請の受付開始

2026年11月5日(木)

申請の締切

2026年12月15日(火)17:00

支援を受けた日と開業日が入っている必要がある期間

2025年12月15日〜2026年12月15日

個人事業主の開業日は、開業届に書いた「開業・廃業等日」です。開業届を出した日ではなく、届に書いた開業日で判断されます。

開業日が1年以内でも、特定創業支援を受けた日が1年より前なら、条件を満たせません。反対に、支援を受けたのが最近でも、開業日が1年より前なら対象外です。2つの日付を、両方そろえて確かめてください。

申請の時点で開業していない人は、対象になりません。開業していれば、商品やサービスの提供を始めていなくても、対象になり得ます。ただし、補助事業が終わるまでに提供を始める必要があります。

個人事業を法人にした場合は、個人事業の開業日で数えます。個人事業の開業日から1年を過ぎていると、法人を設立したのが最近でも申請できません。

補助の上限と補助率

補助の上限は200万円、補助率は3分の2です。かかった費用の3分の2が、上限の範囲で補助される仕組みです。

インボイスの登録(適格請求書発行事業者の登録)をする事業者には、50万円の上乗せの特例があります。ただし、補助事業が終わる時点で特例の要件を満たしていないと、上乗せ分だけでなく補助の全体が対象外になります。特例を使う場合は、公募要領で要件を確かめてください。

ホームページの費用は、通常の枠と同じ決まり

創業型でも、ホームページの費用は「ウェブサイト関連費」として扱われます。公募要領に書かれている決まりは、通常の枠と同じです。

  • ウェブサイト関連費だけでは申請できない(ほかの経費と一緒に申請する)
  • ホームページ分の補助は、30万円(税込)まで
  • 交付決定の前に発注・契約・支払いをした費用は、補助の対象にならない

全体の上限が200万円になっても、ホームページ分の補助は30万円までのままです。あわせて、補助事業の期間内に公開して使い始めるところまで至らなかったホームページは、対象外とされています。3つの決まりの詳しい中身と、補助される額の計算の例は、前の記事の決まり1〜3にまとめています。

もう一つ、費目の分け方にも気をつけたい点があります。第4回の公募要領では、ネット広告・SNS広告や、運用代行の費用は、ウェブサイト関連費ではなく「広報費」の対象例に挙げられています。広報費の補助にも30万円(税込)の上限があり、広報費だけでの申請もできません。一方で、自社のホームページで使う写真や動画の制作費は、ウェブサイト関連費として扱われます。

通常の枠と創業型、どちらで申し込むか

前の記事で扱った通常の枠(一般型・通常枠の第20回)と、創業型の第4回は、重複して申請できません。受付の日程も同じなので、どちらか一方を選ぶことになります。主な違いを並べると、次のとおりです。

項目

創業型(第4回)

通常の枠(第20回)

補助の上限

200万円(インボイス特例で50万円の上乗せ)

50万円(特例による上乗せあり)

補助率

3分の2

3分の2(一部の特例では4分の3)

開業してからの年数

開業日が締切から1年以内

問わない

特定創業支援の証明書

必要

要らない

ホームページ分の補助

30万円(税込)まで

30万円(税込)まで

申請の締切

2026年12月15日(火)17:00

2026年12月15日(火)17:00

2つの日付の条件を満たし、証明書も締切までにそろうなら、創業型のほうが全体の上限は大きくなります。ただ、ホームページ分の補助は、どちらも30万円までです。ホームページのほかにどんな取り組みを、どのくらいの費用で考えているかによって、どちらが合うかは変わります。

開業日が条件から外れている場合や、証明書が締切に間に合わない場合は、通常の枠が選択肢になります。ただし、通常の枠(第20回)でも、決算期を一度も迎えていない場合は、開業届の写しとあわせて、開業してから売上が出ていることを示す売上台帳などの写しを出す必要があります。どちらにするか迷うときは、商工会議所・商工会で相談できます。

自分が対象かを、2つの日付で確かめる

ここからは、2025年12月15日以降に開業した方が、第4回の対象になるかを確かめる手順です。手元に開業届の控えを用意して、読み進めてみてください。

確かめること1:開業届の開業日が、2025年12月15日以降か

まず、開業届の控えで「開業・廃業等日」の欄を見ます。この日付が2025年12月15日から2026年12月15日のあいだにあれば、1つ目の条件は満たしています。

申請のときには、開業届の写しを提出します。開業日の記載がない写しは認められないため、控えが手元にあるかを早めに確かめておくと安心です。

開業日がこの期間より前なら、第4回の創業型には申し込めません。その場合は、前の記事で扱った通常の枠が選択肢になります。

確かめること2:特定創業支援を受けた日が、条件の期間に入るか

次に、特定創業支援をすでに受けたかどうかで、やることが分かれます。

  • 受けて、証明書を持っている
    証明書の記載を見て、支援を受けた日が2025年12月15日以降かを確かめる
  • 受けたが、証明書を申請していない
    市への証明書の申請に進む
  • これから受ける
    締切に間に合う日程の講座があるかを、次の節で確かめる

支援を受けた日は、開業より前でもかまいません。開業日と支援を受けた日の両方が、2025年12月15日〜2026年12月15日に入っていれば、条件を満たします。

講座の期間が2025年12月15日をまたいでいるときなど、どの日が「支援を受けた日」になるか迷う場合は、市の窓口(起業・新産業支援課)に確かめてください。証明書の記載とあわせて聞いておくと、申請のときに迷わずにすみます。

これから開業する方は

これから開業する方も、第4回の対象になり得ます。ただし、申請の時点で開業していることが条件です。開業届に書く開業日が申請の日より後になる場合は、申請できません。

第4回をめざすなら、講座の受講と並行して、いつ開業するかも考えておく必要があります。開業日は、事業を始める日として実態に合わせて決めるものです。補助金の日程だけで決めず、事業の準備の進み具合とあわせて考えてください。

また、証明書の優遇のうち創業関連保証の特例は、開業前の方が使えるものです。融資も考えている場合は、あわせて確かめてみてください。

熊本市で特定創業支援を受けられる講座・相談

市のページに載っている4つの講座・相談

熊本市の特定創業支援のページには、2026年10月初めの時点で、次の4つが載っています。

  • 熊本マーケティング研究所「BluePrint」:10月17日(土)・18日(日)の講座と、10月22日(木)のワークショップ。会場はくまもと森都心プラザ
  • 熊本商工会議所「孔明塾」:10月21日〜11月25日の毎週水曜、全6回(18:30〜21:00)
  • XOSS POINT.(クロスポイント):随時受付
  • freee株式会社「つばめ創業セミナー」:パソコンやスマホで学ぶeラーニングの講座

日程・費用・対象、修了までにかかる期間は主催者ごとに違うので、申し込む前に主催者のページで確かめてください。

代表例:熊本商工会議所「孔明塾」

ここでは、日程が公表されていて、12月の締切との関係がつかみやすい孔明塾を例に見ていきます。熊本商工会議所の案内によると、主な内容は次のとおりです。

項目

内容

対象

熊本市内で開業2年以内の創業者、または創業予定者

日程

10月21日〜11月25日の毎週水曜、全6回(18:30〜21:00)

受講料

5,500円(税込・全6回分)

定員

15名(先着順)

申込の締切

10月16日(金)

全日程を受講すると、市の証明書の発行を受けられます。

ひとつ気をつけたいのは、孔明塾の対象が開業2年以内なのに対して、創業型の条件は締切から1年以内だという点です。孔明塾を受けられることと、創業型の対象になることは別なので、開業日は先ほどの手順で確かめてください。

修了から証明書を受け取るまで

証明書は、講座を修了したあと、市のページからオンラインで申請します。

申請から発行までは、おおむね1週間です。受け取りは市役所の窓口が基本で、郵送で受け取る方法も案内されています。

12月15日の締切から逆算する

孔明塾を受ける場合の日程

第4回に申し込みたい場合、締切から逆算すると、時間の余裕は大きくありません。孔明塾を例に、公表されている日付を並べます。ほかの講座は、修了の時期が孔明塾と違います。

日付

できごと

10月16日(金)

孔明塾の申込締切

10月21日(水)

孔明塾の初回

11月5日(木)

創業型・第4回の申請の受付開始

11月25日(水)

孔明塾の最終回

修了後

証明書をオンラインで申請(発行までおおむね1週間)

12月4日(金)

商工会・商工会議所の事業支援計画書(様式4)の発行の受付締切

12月15日(火)17:00

申請の締切

孔明塾の最終回は11月25日(水)で、事業支援計画書(様式4)の発行の受付は12月4日(金)に締め切られます。締切のあとの依頼はできません。様式4を頼むときに何をそろえる必要があるかを、事業所のある地区の商工会議所・商工会に、早めに確かめてください。

様式4は、発行の前に商工会議所・商工会が事業計画の内容や書類の過不足を確かめるため、発行までに時間がかかる場合があります。証明書が届くのを待ってから動くのではなく、講座を受けているあいだに申請書の準備も進めておくことが、間に合わせる鍵になります。

証明書・様式4・GビズIDを並行して進める

証明書は市、様式4は商工会議所・商工会、GビズIDは国のシステムと、3つの準備はそれぞれ相手が違い、どれにも待ち時間があります。順番に並べると、次のような流れです。

  1. GビズIDプライム(申請に使うアカウント)の取得を始める。申請は電子申請だけで受け付けられ、取得には時間がかかる場合がある
  2. 経営計画など、申請書の下書きを進める(受付開始は11月5日)
  3. 商工会議所・商工会へ様式4の発行を頼む(12月4日まで)
  4. 講座を修了したら、すぐに市へ証明書を申請する
  5. 様式4と証明書の写しなどをそろえて、12月15日の17時までに申請する

GビズIDプライムの取得方法と、申請までに準備することは、前の記事の「申請までに準備すること」にまとめています。

第4回に間に合わないときは

第5回の日程は、2026年10月初めの時点では公表されていません。開業日と支援を受けた日の条件は、回ごとの締切の日からさかのぼって1年で数えます。次の回を待つと、開業日や支援を受けた日が、その1年から外れることもあります。

第4回に間に合わない場合の選び方は、主に次の3つです。

  • 通常の枠(第20回)で申請する:証明書は要らないが、締切は同じ12月15日
  • 次の回の発表を待つ:日程が出たら、開業日と支援を受けた日がその回の条件に入るかを改めて確かめる
  • 補助金を使わずに、先にホームページを作る:次の節で詳しく見ます

ホームページは、いつ作るか

ここまでの日程をふまえると、ホームページを作る時期は、補助金を使うかどうかで大きく変わります。2つの選び方を順に見ていきます。

創業型を使うなら、作り始めは交付決定のあと

第4回の採択の発表は2027年3月ごろの予定で、交付決定まではそこから1〜2ヶ月ほどかかる場合があります。公募要領には「採択通知書だけでは、補助事業を始めることはできません」とあります。ホームページの発注・契約は、交付決定のあとです。

交付決定までのあいだにできるのは、ホームページに載せる中身の準備です。誰に、何を、いくらで届けるのか。どんな写真を載せたいか。こうした整理は、申請書に書く計画にもそのまま生かせます。

申請書の計画には、補助事業によって売上高と売上総利益がどう増えるかの見込みを、根拠とあわせて数字で書く必要があります。第4回の公募要領で、対象になる事業の条件の一つとされているためです。ホームページに載せる中身を整理しておくと、この見込みを考える材料にもなります。

補助金を使わずに、先に作る

補助金を待たずに、先にホームページを作る選び方もあります。その場合、作った費用は補助の対象になりません。

開業してすぐにお客様に見つけてもらいたい、問い合わせや予約の窓口を早く用意したい。そうした事情があるときに検討される選び方です。費用は全額が自己負担になるので、予算と、いつまでに必要かをあわせて考えます。

どちらが正解ということはありません。「いつまでにホームページが必要か」をひとつ決めて、締切や交付決定の時期と並べてみると、自分に合うほうが見えてきます。

一人で整理しきれないときの相談先

公的な窓口

特定創業支援と創業型のことは、次の窓口で確かめられます。

  • 証明書のこと:熊本市 起業・新産業支援課(市役所8階)
  • 孔明塾と事業支援計画書のこと:熊本商工会議所(事業所のある地区によっては商工会)
  • 経営全体のこと:熊本県よろず支援拠点(無料の経営相談所)

創業型の申請の手順や様式は、持続化補助金〈創業型〉の公式サイトで公開されています。

Riple with の補助金活用サポート

Riple with では、使える補助金があるかどうかの確認から、申請に向けた計画の整理までを、補助金活用サポートとしてご一緒します。費用と、補助金を使った場合の自己負担の目安は、料金ページの「補助金を使うと、実質負担はいくら?」にまとめています。補助金を使わずに作る場合の費用も、料金ページで見比べられます。

採択は審査で決まるため、補助金を受け取れることをお約束するものではありません。申請書の中身を決めるのは事業者ご自身です。

申請書づくりについて、商工会・商工会議所以外からアドバイスを受けた場合は、料金を払ったかどうかに関わらず、その相手と金額を申請の中に書く決まりがあります。Riple with がお手伝いする場合も、同じように書いていただきます。

「開業したばかりで、何から確かめればいいか分からない」という段階からでも、初回相談で一緒に整理できます。初回相談(60分)は無料です。

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おわりに:開業日と、支援を受ける日を並べる

熊本市で開業して間もないなら、ホームページを頼む前に、特定創業支援を受けているか、締切までに受けられるかを確かめてください。証明書は、持続化補助金〈創業型〉の申請の対象になるための条件の一つです。支援を受けた日と開業日が、どちらも締切から1年以内にあることが条件で、ホームページの費用は通常の枠と同じ決まりで扱われます。

まず、開業届に書いた開業日と、受けられそうな講座の日程を並べてみてください。第4回の条件に合うかどうかは、その2つの日付から確かめられます。

条件に合いそうで、特定創業支援をこれから受ける場合は、講座の申し込みが先です。孔明塾の申込締切は10月16日(金)です。あわせて、地区の商工会議所・商工会に様式4の依頼に必要なものを聞き、GビズIDの取得も始めてください。