Google で調べものをすると、検索結果のいちばん上に、AI がまとめた答えが出てくるようになりました。お店や事務所のホームページを持っている方なら、気になるのは「その答えの中に、自分のホームページは出ているのか」ではないでしょうか。
制作会社や業者から「これからは AI 対策が必要です」と勧められたり、「AI 対策をしておきました」と言われたりした方もいるかもしれません。ただ、これまでは、その効果を自分で確かめる方法がほとんどありませんでした。
2026年8月末から、Google の無料ツール「Search Console(サーチコンソール)」で、これが確かめられるようになりました。この記事では、何が分かるようになったのか、どう見ればいいのか、出ていないときに何を見直せばいいのかを、はじめての設定の手順も含めてまとめます。
まず知っておきたい、Google の2つの AI 検索
Google の検索で AI が答えを出す仕組みは、いま主に2つあります。
- AI による概要:検索結果の上に、AI がまとめた答えと、その根拠になったページへのリンクが表示されます
- AI モード:AI とやりとりしながら調べられる検索です。条件が多い質問や、いくつかを比べたい質問に向いています
どちらにも、答えの根拠になったページへのリンクが付きます。今回確かめられるようになったのは、このリンクとして自分のホームページが表示された回数です。
たとえば「駅の近くで、土曜も開いているお店」のように条件を重ねて調べると、AI がいくつかのお店の情報をまとめて答え、その根拠として各お店のページへのリンクを並べることがあります。そのリンクの中に、自分のホームページが入っているかどうか、という話です。
Search Console の「生成 AI」レポートで分かること
Search Console に「生成 AI 機能」のレポートが加わりました。Google のヘルプでの名前は「生成 AI パフォーマンス レポート」です。
2026年6月に発表されて、一部のホームページから順番に使えるようになりました。そして8月31日に、すべてのホームページへの公開が済んだと案内されています。
分かること:AI の答えに出た回数(表示回数)
このレポートで見られるのは、AI による概要と AI モードで、自分のホームページへのリンクが表示された回数(表示回数)です。表示回数は、次の4つに分けて見られます。レポートの表の上に、この順でタブが並んでいます。
- ページ:どのページが表示されたか
- 国:どの国で調べた人に表示されたか
- デバイス:パソコン・タブレット・スマホのどれで調べた人か
- 日:いつ表示されたか(日ごとのほか、週や月ごとにまとめても見られます)
地域のお店や事務所なら、いちばん役に立つのは「ページ」です。トップページだけが出ているのか、料金やサービスのページも出ているのかで、次に手を入れる場所が変わってきます。
「AI 対策をした」という言葉ではなく、実際に出たかどうかの数字で話ができるようになりました。これが、今回のいちばんの変化です。
分からないこと:クリック数と、調べられた言葉
一方で、このレポートだけでは分からないこともあります。
- このレポートにある数字は表示回数だけで、そこからホームページに来た人の数(クリック数)の項目はありません
- どんな言葉で調べた人に表示されたか(クエリ)の項目もありません
つまり、「AI の答えに出た」ことは分かっても、「それで何人来たか」「何と調べられたか」までは分かりません。「どのページが、どれくらい出たか」を確かめるためのものだと考えておくと、期待とのずれが起きにくくなります。
ふだんの検索の数字との関係
AI による概要や AI モードでの表示は、これまでも Search Console のふだんの検索の数字(検索パフォーマンス)の中に含まれていました。今回は、その中から AI の分だけを取り出して見られるようになった、ということです。
そのため、ふだんの検索の数字と、生成 AI のレポートの数字を足し合わせる必要はありません。AI の分は、もともと全体の中に入っています。
まだ設定していないときは、ここから
Search Console をすでに設定していて、ログインもできる方は、この見出しは読み飛ばして、次の「自分のホームページで確かめる手順」へ進んでください。ここでは、はじめて設定する場合の流れを、ひと通りまとめます。
制作会社が設定済みのこともある
ホームページを制作会社に作ってもらった場合は、すでに Search Console が設定されていることがあります。新しく設定を始める前に、まず制作会社に「Search Console は設定されていますか」と聞いてみてください。
設定済みで、管理が制作会社のアカウントになっている場合は、自分の Google アカウントを追加してもらえば、同じ数字を見られるようになります。追加は、所有者の側が Search Console の「設定」の中にある「ユーザーと権限」から行います。ホームページの持ち主は自分なので、自分のアカウントでも見られる状態にしておくと、あとで困りにくくなります。
Google アカウントを用意する
Search Console は、Google アカウントでログインして使います。Google ビジネスプロフィール(Google マップのお店情報)をすでに管理している方は、同じアカウントを使うと、管理するアカウントが増えずに済みます。
アカウントは、Gmail のアドレスでなくても作れます。お店や事務所のメールアドレスで作っておくと、個人のアカウントと分けて管理しやすくなります。
ホームページを登録する
Search Console を開いたら、ホームページを登録します。Search Console の画面では「プロパティを追加」と呼ばれていて、登録の種類は2つあります。
- ドメイン
「example.com」のように、アドレスの中心部分だけを入れる方法です。「www」のあり・なしや、「http」と「https」の違いをまとめて見られます - URL プレフィックス
「https://example.com/」のように、ホームページのアドレスをそのまま入れる方法です
ドメインのほうがまとめて見られて便利ですが、次の「持ち主の確認」で、ドメインを管理しているサービス側の設定が必要になります。そこが難しそうなら、URL プレフィックスで始めても問題ありません。
持ち主であることを確認する
登録したら、そのホームページの持ち主であることを確認します。確認の方法は、登録の種類によって変わります。
- ドメインの場合:ドメインを管理しているサービスの管理画面で、Google が指定する文字列(DNS レコード)を追加します
- URL プレフィックスの場合:Google が用意したファイルをホームページに置く、ホームページに短いタグを入れる、すでに入っている Google アナリティクスを使う、などの方法から選べます
ホームページ作成サービスを使っている場合は、そのサービスのヘルプに、Search Console の設定手順が載っていることがあります。どの方法も自分では難しいときは、ホームページを管理している制作会社などに頼むのが近道です。
数字がたまるまで、少し待つ
Google のヘルプによると、ホームページを登録するとすぐに、持ち主の確認が済む前からデータの収集が始まります。数字が表示されるのは、その数日後からです。登録したその日に数字が出なくても、心配はいりません。
生成 AI のレポートは、AI の答えでの表示回数が十分にたまってから表示されます。ふだんの検索の数字は見られるのに、生成 AI のレポートだけまだ出ない、ということもあります。その場合は、後の「レポートが出ない、数字が0のとき」を読んでみてください。
自分のホームページで確かめる手順
ここからは、Search Console にログインできる状態から、生成 AI のレポートを開く手順です。2026年9月時点の画面に沿って書いています。
レポートを開く4つの手順
- Search Console を開き、確かめたいホームページ(プロパティ)を選びます
- 左のメニューの「検索パフォーマンス」を開き、その下の「生成 AI」を押します。「生成 AI 機能」という見出しのレポートが開きます(2026年9月の時点では「ベータ版」の印付き)。「検索パフォーマンス」の画面の下のほうにある「レポートを開く」からも行けます
- グラフの下の表は、はじめは「ページ」のタブが選ばれていて、ページごとの表示回数が並んでいます。ここで、どのページが表示されたかを見ます。表の上の「国」「デバイス」「日」を押すと、切り口を変えられます
- 期間は画面の上で選べます。長めにして(3ヶ月など)、推移を見ます。1日や1週間の数字は、少ないうちは大きく揺れます
なお、Search Console には、Google のアプリなどで記事をおすすめする「Discover(ディスカバー)」向けの生成 AI レポートもあります。この記事で扱っているのは、検索のほうのレポートです。
毎月1回、同じ区切りで見る
見るのは、毎月1回、同じ期間の区切りで十分です。たとえば「毎月はじめに、前の月の1ヶ月分を見る」と決めておくと、前の月と比べられます。
見たときは、次の3つを書き留めておきましょう。
- 期間全体の表示回数
- 表示回数が多かったページの上位いくつか
- 前の月には出ていて、今月は出ていないページ(またはその逆)
毎回同じ形で残しておくと、ホームページに手を入れたあとで、数字がどう動いたかを比べられます。後で出てくる「AI 対策」の話を確かめるときにも、この記録が役に立ちます。
レポートが出ない、数字が0のとき
出ない理由は、主に2つ
Google のヘルプには、レポートが表示されない理由として、次の2つが書かれています。
- 公開が順番に進んでいて、まだ使えない場合がある(2026年8月31日に、すべてのウェブサイトへの公開が済んだと案内されています)
- AI の機能での表示回数が、まだ十分にない
つまり、開設して間もないホームページや、アクセスがまだ少ないホームページでは、レポート自体が出ないことがあります。
0や少なくても、問題があるとは限らない
AI による概要は、どの検索でも出るものではありません。Google は、ふだんの検索結果よりも役に立つと判断した場合にだけ表示する、と説明しています。
AI の答えが出る検索そのものが限られているので、地域のお店や事務所で表示回数が少ないのは、珍しいことではありません。表示回数が少ないことを、それだけで心配する必要はありません。
念のため確かめたい2か所
そのうえで、念のため確かめておきたい場所が2つあります。
1つ目は、ページが Google の検索に登録されているかどうかです。Google は、AI の答えにページが表示される前提として、「検索に登録されていること」「検索結果で説明文を表示できること」などを挙げています。登録の状態は、同じ Search Console の「ページのインデックス登録」で確かめられます。
2つ目は、Search Console の「設定」にある「検索の生成 AI」という項目です。AI の機能に自分のホームページを含めるかどうかを選ぶもので、はじめから含める設定になっています。
ここを含めない設定に切り替えると、AI による概要や AI モードなどに、自分のホームページが出なくなります。ふだんは触る必要はありませんが、レポートが出ないときは、含める設定のままになっているかを一度確かめておくと安心です。
AI のための特別な対策は、要らない
「AI に引用されるための書き方」や「AI 向けのファイル」を勧める話を、目にすることが増えました。何かしないと取り残されるのでは、と焦った方もいるかもしれません。
Google 自身の説明
これについて Google 自身は、AI による概要や AI モードに表示されるための追加の要件はなく、特別な最適化も必要ない、と説明しています。AI のために専用のファイルを置いたり、ページに特別な書き込みを足したりする必要もない、としています。
同時に Google は、条件を満たしていても、検索に表示されることが保証されるわけではない、とも書いています。AI の答えに出るかどうかは、最終的には Google の仕組みが判断することです。
地域のお店や事務所で続けたい基本
代わりに Google が挙げているのは、これまでと同じ基本です。その中から、地域のお店や事務所のホームページに関係が深いものを選ぶと、次のようになります。
- 大事な内容は、画像の中ではなく文字で書く
(料金表や営業時間は文字で載せる、画像には内容を説明する短い文章=alt 属性を設定する、など) - 見てほしいページに、ホームページの中のリンクからたどり着けるようにする
(メニューに載せる、トップページや内容の近いページからリンクを張る、など) - Google ビジネスプロフィールの内容を最新にしておく
(営業時間や定休日が変わったら直す、臨時休業を載せる、ホームページのアドレスを登録しておく、など)
そろえ方は、「Google マップだけで十分? ホームページにもお店の情報を置いてそろえる理由と、月1回の見比べ方」にまとめています。
大事なのは、AI のために何かを足すことより、読みに来た人が判断に使える情報を、きちんと書いておくことです。料金、場所、対応している範囲、よくある質問のように、そのお店にしか書けない情報がある場所は、人にとっても AI にとっても、参考にしやすい場所です。
「AI 対策」を勧められたときに、聞いておきたいこと
とはいえ、制作会社や業者から「AI 対策」を勧められることもあると思います。そのときは、頼むかどうかを決める前に、次のことを聞いてみてください。
- 具体的に、どのページの、何を変えるのか
- それは、Google が説明している基本とどうつながっているのか
- 効果は、Search Console のどの数字で、どれくらいの期間をかけて確かめるのか
- 始める前の数字を、一緒に記録しておけるか
どれも、中身のある提案なら答えやすい質問です。もし「AI の答えに出るようにします」と表示を約束するような説明があったときは、Google 自身も表示を保証していないことを思い出してください。
「AI 対策をしました」と言われたときの確かめ方
すでに「AI 対策をしました」と言われている場合も、確かめ方は同じです。生成 AI のレポートを開いて、次のことを一緒に見てもらいましょう。
- いつ、どのページに、何をしたのか
- そのページの表示回数が、対策の前と後でどう変わったか(同じ長さの期間で比べる)
- 何ヶ月たっても変化が見えないとき、次にどうするか
数字が少ないうちは、月によって大きく揺れます。1ヶ月だけ増えた、減ったで判断せず、何ヶ月か続けて見るのがおすすめです。
また、表示回数が増えたとしても、それが対策だけのおかげとは限りません。調べる人の数や、Google の仕組みそのものも変わっていくからです。
聞くのは、疑うためではなく、同じ数字を一緒に見ながら話すためです。そうすれば、「AI 対策」の話に振り回されにくくなります。
数字を見て、次に直すページを決める
新しいレポートで分かるのは、「どのページが出たか」までです。その数字は、次に直すページを決めるための材料として使えます。
出ていないページは、情報が足りているかを見直す
見てほしいのに出ていないページがあれば、そのページに書いてある情報が足りているかを見直します。
たとえば、料金表を画像だけで載せているサービスのページは、文字として読み取りにくいことがあります。料金の目安、対応しているエリア、予約や相談の流れなど、お客さんが知りたいことが文字で書かれているかを確かめてみてください。
あわせて、そのページにトップページやメニューからたどり着けるかも見ておきます。どこからもリンクされていないページは、人にも Google にも見つけてもらいにくくなります。
出ているページは、問い合わせへの道を確かめる
出ているページがあれば、そのページから問い合わせにつながる道があるかを確かめます。
たとえば「よくある質問」のページがよく出ているなら、読み終えた人がそのまま電話や予約、問い合わせに進めるようになっているかを見ます。ページの最後に連絡先やボタンがなければ、足しておくだけでも、読んだ人が次に動きやすくなります。
数字は、ホームページの出来を採点するためではなく、次にどのページを直すかを決めるための材料です。
設定や見方で迷ったら
Riple with の計測立ち上げパッケージ(3万円〜・税込3万3,000円〜)では、問い合わせや電話など成果になる動きを数える設定と、数字を見るためのダッシュボードの構築、見方の説明をお手伝いします。
「Search Console をまだ設定していない」「開いてみたけれど、どこを見ればいいか分からない」という段階からでも、初回相談で一緒に確かめられます。初回相談(60分)は無料です。
2026年8月末から、Google の AI による概要と AI モードに自分のホームページが表示された回数を、Search Console の「生成 AI」のレポートで確かめられるようになりました。分かるのは表示回数で、ページ・国・デバイス・日の4つに分けて見られます。クリック数と、調べられた言葉は分かりません。レポートが出ない、数字が0でも、それだけで問題があるとは限りません。「ページのインデックス登録」と、設定の「検索の生成 AI」を確かめておくと安心です。Google は AI のための特別な対策は要らないとしています。大事なのは、これまでと同じ基本と、自分にしか書けない情報をきちんと書いておくことです。
「AI 対策」の話も、この数字があれば、自分の目で確かめながら判断できます。まずは Search Console を開いて、このレポートが表示されるかどうかから確かめてみてください。